影絵作家の藤城清治さん(99)の作品展「大阪パノラマ展」の開幕式が25日、ソウルの世宗文化会館であった。初期のモノクロ作品から最新作まで約200点が展示されている。ソウルを訪れた藤城さんは「韓国の皆さんに影絵を見てもらえる。これほどうれしいことはない。光の美しさを見てもらいたい」と話した。
藤城さんは雑誌「暮しの手帖」での挿絵の連載のほか、NHK「みんなのうた」の映像などで知られる。今回の作品展は、藤城さんが今年100歳を迎えるのに合わせて企画された。童話を題材にした作品など、20代からの約80年間にわたる作品が並ぶ。
韓国の民話「鹿からもらったお嫁さん」が題材の影絵も展示されている。1958年に制作し、「暮しの手帖」に掲載されたが、その後一部の絵が紛失したため、今回の作品展に合わせて12点を再び制作したという。藤城さんは「徹夜でつくった」と笑う。
作品展は4月7日まで開かれている。(ソウル=太田成美)